市町村合併がといかけるもの〜栃木県高根沢町を事例として〜
中村祐司ゼミ4年 坪井知子
T両合併協議会
○6月22日第2回宇都宮市・高根沢町合併協議会開催
6月22日、第2回宇都宮市・高根沢町合併協議会が宇都宮市役所で開催され、傍聴してきた。福田富一会長(宇都宮市長)・高橋克法副会長(高根沢町長)ら14人が出席したこの日の協議会では、合併の基本4項目のうち、合併期日を除いた3項目(合併の方式、新市の名称、新市の事務所の位置)や、行政制度の調整方針が決定された。
協議会という形式的なものということで、目立った対立や議論はみられなかったが、芳賀町とも協議会を設け両協議会の同時進行の意志を示す高根沢町の姿勢を問う意見はやはり見られた。
○6月23日第3回芳賀町・高根沢町合併協議会開催
延期されていた第3回合併協議会が6月23日芳賀町生涯学習センターで開催され、協議会決算や協議会決算補正予算と今後の対応について話し合われた。
○7月9日第4回芳賀町・高根沢町合併協議会開催
7月31日をもって同協議会を廃止することを決定。
「法定協廃止を決定 芳賀町・高根沢町合併協議会」
芳賀町・高根沢町合併協議会(会長・森仁芳賀町長)は九日、芳賀町生涯学習センターで第四回目の会合を開き、法定合併協議会(法定協)の廃止を承認した。今後は両町の臨時議会の審議を経て、七月三十一日をもって正式に廃止となる。森町長が協議会の廃止確認までの経緯を説明。一方、高橋克法高根沢町長は「協議会の廃止にいたり町長としておわびを申し上げるのみ」と頭を下げた。
同協議会は三月に発足。新設(対等)合併することや、特例法経過措置期限の二〇〇六年三月三十一日までに合併を目指すことを決めた。
しかし高根沢町が四月に実施した住民投票結果を受け、宇都宮市とも法定協を設置。芳賀町側は早期の一本化を求めていたが、六月開催の第三回協議会でも一本化には至らなかった。両町長は同月末の会合で、法定協廃止の方向で一致し、両町議会は全員協議会で廃止の方針を確認した。(下野新聞7月10日)
*これまでの経緯
H15.3月 宇都宮地域との協議推進を表明
6月 宇都宮地域合併協議会に任意参加
11月 研究結果、議会は宇都宮地域合併協議会を離脱し芳賀町との合併に向けて協議会設置求める
合併に関する住民アンケートを実施(宇都宮市への編入が芳賀町より上回る)
12月 高根沢町議会は宇都宮市と上三川、上河内、河内との1市4町による法定協の設置案を否決
(続き)
H16.2月 芳賀町と2町による法定協設置案を可決
3月 芳賀町との間で法定協設置
反発した住民らが住民発議で宇都宮市との法定教設置を直接請求
*町民有志の「宇都宮市との合併を進める住民の会が、有権者の50分の1とした有効署名を大きく上回る6025人分を集めた
町長が住民投票実施を決定
4月 住民投票実施 賛成票7410 反対票7195 宇都宮市との法定協設置
7月 芳賀町・高根沢町合併協議会廃止決定
U芳賀町・高根沢町合併協議会廃止決定を受けて
協議会が廃止になるのは、「大平町・岩舟町・藤岡町合併協議会」(4月末廃止)に続き2例目である。今後高根沢町は、宇都宮市との協議会だけを残す形となるが、芳賀町との合併推進派が多い高根沢町議会が認めるかどうかは別問題であり、すでに宇都宮地域として協議を進めている1市3町(宇都宮市・河内町・上河内町・)との折り合いもうまくついていない中で、合併を進めていくことは非常に困難なものに思える。どのような経緯で廃止に合意されたかはまださだかではないが、芳賀町との間にも合併が白紙に戻ったことによる問題(ごみ処理施設等)、また感情的なわだかまりも残るであろう。
しかしその一方、方向性が1つに定まったことで事態が一歩前進したような気もする。いつかは決断されなければならないものであったし、いずれにせよ、どちらかに決めなければ、話は進まなかった。4月に行われた高根沢町の住民投票の結果を見てみれば、民意が反映された結果であるともいうことができるかもしれない。課題は山積み状態だが、今後は、宇都宮地域との合併の成功を目指していかなければならない。(もしかしたら高根沢の合併自体なくなるような気がしないでもないけど・・・)
今後の卒論は・・・
・ 市町村合併政策の問題点(高根沢町を事例になぜこういう事態に陥ったか、廃止までの経緯・原因をあきらかにする)
・ 住民の関心
・ 宇都宮地域との合併に焦点をあてる(成功に導くためには?必要なものは?)
・ 市町村合併のあり方について
(参考資料)
・ 下野新聞ホームページhttp://www.shimotsuke.co.jp/
・ 高根沢町ホームページ